CANNONDALE SistemSix カスタムペイント

今回はCANNONDALEのカーボンロードバイクフレームSistemSixをカスタムペイントさせていただきました。

このフレームは前回の記事「CANNONDALE SuperSix EVO カスタムペイント」のフレームと同時にお預かりして2台の作業は並行して行いました。

カラーやその他も、前回の記事と全く同じ仕様になります。

目次

作業内容

洗浄~ロゴ&マスキングデータ作成

まずはいつも通り、一通りの洗浄を行います。
こちらのフレームはヘッド回りが少し複雑な形状なので、念入りに洗浄しておきます。

洗浄ができたらダウンチューブのcannondaleの文字と、UCIマークのカッティング用データを作成します。

ロゴを撮影した画像からIllustratorでパスを取り、レンズやフレーム自体の歪みを修正して、ある程度形になったら印刷をして現物に合わせてみます。
そこから微調整を行ってカッティング用ロゴデータの完成です。

ブランドによっては同じようなロゴでもフレームシリーズによって縦横比や線の太さが違う事が多いでが、SistemSixとSuperSix EVOのダウンチューブのロゴは、サイズも形状も全く同じだったので非常に助かりました。

下地処理

今回は元の塗装を剥離しない上塗り塗装ですが、イエローとブラックでは明度の差が大きく、塗装するメインカラーのホワイトでは隠蔽力が弱く透けやすいので、ブラックの部分は可能な限り削り取ってしまいます。

勿論、厚く塗装する事で透ける事は無くなるのですが、上塗りはただでさえ塗装が厚くなるので、僅かでも薄くするために下地の段階で処理しておきます。

このフレームカラーの様な蛍光色や高彩度のカラーは、紫外線による退色差が大きいです。
写真でも分かりますが、現物ではもっとハッキリとステッカーやブラックで隠れていた部分とのカラー差が出ます。

マスキング~下地塗装

下地が出来たらマスキングを貼っていきます。

シートチューブとフォークのUCIマークには、予めカットしておいたマスキングシールを貼ります。

サーフェイサーにはホワイトを使用します。
カーボンが見えていたりブラックが残っている部分は、透けないように厚めに塗装します。

サーフェイサーが硬化したらマスキングを剥がし、全体をサンディングして塗装を整えたら下地塗装の完了です。

メインカラー塗装

マスキングを貼り直し、予め調色したソリッドホワイトのメインカラーを塗装していきます。

よくお客様にフレームを原色の白や純白1色にしたいと塗装のご相談を受ける事がありますが、私としてはあまりお勧めしません。
白は汚れが目立ちやすいなども御座いますが、何よりも原色の白は軽く安っぽく見えてしまいます。

今回使用するソリッドホワイトも、ホワイトの塗料に0.06%のオーカーと、0.21%のブラックを加えたJPMA:75-90A調色してあります。
この僅かに他の色を加える事で一気に重厚で高級感のある印象になります。

ホワイトに続いてクリヤーを塗装したら、しっかりと硬化させてメインカラーの塗装は完了です。

ステッカー貼付~クリヤー塗装

塗装が硬化してから時間を空けてステッカー貼付作業を行います。

研磨布でフレーム全体に足付け作業と、ステッカーを張る面の塗装肌を整えます。

空気を噛まないように、スキージーを使用して慎重にダウンチューブ左右にステッカーを張ります。

つづいて仕上げの上塗りクリヤーを塗装します。

基本的には2回に分けt塗装しますが、ステッカーとUCIマーク部分には他の部分より少し厚めに塗装します。

塗装したクリヤーが硬化したら塗装完了です。

ポリッシング~完成

クリヤーを塗装した直後は非常に艶があり滑らかな塗装面でも、塗料が硬化して塗膜が落ち着いてくると塗装肌が出てきます。
それをまずは1500~3000番の研磨布で研ぎ、続いてポリッシャーで磨いて研磨キズを消して完成です。

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