今回は ARGON18 のカーボンロードバイクフレームのペイントリペアをご依頼いただきました。
このフレームのメインカラーはクリヤーブルーで、カーボンの織り目が透けて見えて非常に綺麗です。
傷の位置はBBシェル右側面周りの2箇所に深めの傷と、右チェーンステー右側面の中ほどに少し深めの線傷があります。
作業工程
プロテクトプレート剥がし~マスキング
まずは右チェーンステー根本にある金属のプロテクトプレートを剥がします。
通常であればマスキングで対応するのですが、プレートが凹んでしまっているので、新品に交換する予定なので剥がして欲しいとのお客様のご要望でした。
幸い、両面テープで接着してあるタイプだったので、フレームとプレートとの隙間に細いワイヤーを通し、慎重に両面テープを切断して取り外します。
プレートが取り外せたらフレームの塗装する部分以外をおおまかにマスキングします。
最初はコロナシートで包み込み、関係の無い部分に塗装のミストが付着しないようにします。
プレートが接着してあった部分は未塗装だったので、ここも塗装しないようにテープでマスキングします。
つづいて紙のマスカ―でマスキングします。
足付け作業~パテ処理
塗装する範囲の足付け作業には、研磨スポンジと足付け用コンパウドを使用して足付けをします。
足付けを行った後はコンパウドが残らないように、シリコンオフでしっかりと拭き取りをして足付け作業完了です。
続いて一番深い傷のBBシェル上部の傷のパテ処理を行います。
まずはリューターで傷の形状を整えて、パテを盛る為の準備をします。
このフレームのカラーは素材のカーボンが透けて見えるクリヤーブラックなので、パテも無色透明な物を使用します。
パテが硬化したら600~800番のサンドペーパーで平滑になる様に処理してパテ処理は完了です。
塗装
いよいよ塗装に入ります。
まずはパテ処理を行った部分や、傷の深かった部分にクリヤーブルーの塗装です。
なるべく塗装範囲が広がらないように、小さくマスキングしてか塗装します。
クリヤーブルーに続いてクリヤーを塗装します。
クリヤーはBBシェル周りからチェーンステー後方までの右側面のみを塗装するので、新たにクリヤー用のマスキングをします。
クリヤーを塗装したら直ぐにボカシ際のマスキングを剥がし、ブレンダーを吹いて塗装完了です。
ポリッシング~完成
塗装が硬化したら磨き作業を行っていきます。
まずは2000~3000番の研磨布で塗装肌を整えます。
塗装のザラツキやブツが無くなったらポリッシャーを使って磨いてきます。
まずは研磨力の強いウールバフのシングルポリッシャーで磨きます。
続いてスポンジバフのダブルアクションで磨いて完成です。