今回もBellatteのクロモリフレームを再塗装させていただきました。
いつも塗装のご依頼ありがとうございます。

こちらのフレームは、かなり錆が酷かったらしく、とくに錆びていたトップチューブのワイヤー受け周りは既にBellatte様の方で埋めていただいています。
トップチューブの塗装が焦げて剥がれているのは、錆の除去後にロウで埋める作業を行ったためです。

こちらのフレームを塗装を剥離した後に錆を除去してライトブルーメタリックに塗装致します。
作業工程
塗装剥離
まずは現在の塗装を剥離するのですが、フレームにグリスやオイルなどの油汚れが付着したままでは剥離剤の効きが悪くなります。
塗装やマスキングを行う際にもトラブルの元となるので、この時点でフレームの表面や内部に付着しているグリスや汚れを洗剤や薬品を使用して徹底的に除去します。
続いてカッティングステッカーのロゴを剥がすのですが、こちらはステッカーを張り付けた後にクリヤーが塗装されていて剥がせないので、カッターナイフで削り取ってしまいます。

ロゴステッカーを除去したら粗目のサンドペーパーで塗装に傷を付けます。
この作業を行うことで剥離剤の反応が良くなるので、メッキ出しの部分には傷が付かないように注意しつつ、しっかりと傷を付けます。
傷を付けたらいよいよ剥離剤を刷毛で塗布していきます。
剥離剤を塗布して数分待つと塗料が緩んで浮いてくるので、浮いた塗料をワイヤーブラシやスクレーバーで取り除きます。
この作業を3~4回行い、元の塗装を完全に剥離してしまいます。
※剥離剤を使用して塗料の剥離を行う場合、必ず上下長袖にゴム手袋(できれば二重)、保護メガネを着用して行いましょう。

錆除去
塗装を剥離したことで隠れていた錆が多数見つかったので、まずはワイヤーブラシなどで大まかに除去します。
細かい部分などはリューターを使用して除去しますが、できるかぎりフレームにダメージが入らないように作業します。




ある程度の錆が除去出来たら錆部分にペーパーにラストリムーバーを染み込ませた物を張り付けます。
張り付けた上からラップで包んで時間をおきます。
使用するラストリムーバーの指定時間が経過したらラップとペーパーを取り除きます。
種類にもよるのですが、ラストリムーバーは酸性の物が多いので、使用した後はアルカリ性の物で中和しておきます。
下地塗装
錆除去が完了したら洗浄後に各種ネジ穴等と塗分け部分をマスキングします。
今回のご注文は、ヘッドチューブ上下ラグのメッキ出し、シートチューブ上部のラグ~シートステー、チェーンステーは斜めにカットして途中からメッキ出しになります。
フォークはクラウン両サイドのワンポイントのみの塗装です。

マスキング後に再度脱脂をしてからプライマーとサーフェイサーを塗装します。
サーフェイサー塗装後は時間を空けてしっかりと硬化させます。
サーフェイサーが硬化して塗膜が締まってくると、サーフェイサーで消しきれなかった傷や凹凸が見えてきます。
そういった部分は研磨布でサンディングしたりパテを盛って、なるべく滑らかになるように仕上げます。
パテを使用した部分には再度サーフェイサーをボカシ塗装しておきます。
こうすることでパテとサーフェーサーの境目が出てくることや、パテが透けたりする事が無くなります。
最後に全体を600番程度の研磨布で足付け作業を行い、下地塗装の完了です。
カラー塗装
下地塗装が出来上がったところで予め調色しておいたライトブルーメタリックのカラーを塗装です。
メタリックがムラにならないように注意しながらフレーム全体を塗装します。
カラーの次はクリヤーを少し薄めに塗装したら時間を空けて塗装した塗料を硬化させます。

塗装が硬化したら全体に足付け作業を行い、脱脂してからカッティングステッカーで作成したロゴを貼り付けます。
最後にトップクリヤーを塗装すれば塗装の完了です。

トップクリヤー硬化後は1500~3000番の研磨布で全体を研いで塗装肌を整えます。

最後にコンパウンドを使用して磨き上げれば完成です。

