今回ご依頼頂いたのは、クロモリロードバイクのペイントリペアになります。
3コートパールホワイトカラーのシートチューブの中ほどに、塗装が完全に剥がれるような傷がついてしまっています。
少し大きめの傷ですがダメージは塗装のみで、凹みなどは見られませんでした。
作業工程
パーツ取り外し
今回ご依頼頂いた自転車は、全てのパーツが取り付けられたまま弊社へ配送されてきました。
直接の持ち込み以外でオート・ビーンズ時代も含めて、ホイールも装着された状態で配送されてきたのは初めてです。
ペイントリペアの内容から話が逸れてしまいますが、この状態で届きますと、弊社からは同じ状態で発送する事が出来ません。
弊社からは専用の段ボール箱に梱包して発送する事になりますので、梱包材の料金を頂くことになります。
輸送中の破損等を防ぐためにも、できる限り段ボール箱に入れて弊社への発送をお願い致します。
ペイントリペアに話を戻します。
シートチューブの傷の位置的に、ホイール、フロントディレイラー、ボトルケージ、クランクを取り外して塗装した方が綺麗にリペアできるので、お客様にはパーツを付けたままか、取り外して塗装するかを選んで頂いてから作業を開始します。
取り外したフロントディレイラーにはチェーンが通ったままなので、チェーンと共にフレームを傷つけないように梱包材で包んでフレームに固定します。
洗浄~マスキング
パーツが取り外せたら汚れを洗浄します。
フロントディレイラーのバンド跡や、ラグの際などは汚れが溜まっているので、念入りに洗い流しておきます。
洗剤や薬品で洗浄脱脂ができたらシートチューブ上下のラグ際に沿うようにマスキングしてしまいます。
調色~下地塗装
マスキング後は傷周りの処理を行います。
処理ができたら3コートパールホワイトの調色です。
3コートパールホワイトカラーは最初に塗装するホワイト、次に塗装するパール、最後にクリヤーの3層塗装で仕上げるカラーになります。
まずは弊社にある数十種類のパール塗料から粒子とカラーが似たものを選択します。
つづいてベースのホワイトを調色します。
3コートパールカラーの調色の難しい所は、見本となるフレームのカラーはホワイトとパールの2色の層が合わさったものが見えているのに、その2色を分けて調色する必要があることです。
調色ができたら塗装範囲全体を600番~2000番の研磨布で足付け作業をしておきます。
足付けが出来たら脱脂してから傷部分にプライマーとサーフェイサーを塗装します。
今回はメインカラーもホワイト系なので、サーフェイサーもホワイトを塗装しました。
サーフェイサーが硬化したら600番程度の研磨布で均して下地塗装の完了です。
塗装
下地が出来たらカラー塗装に入ります。
なるべく塗装範囲は小さく、ボカシ塗装でホワイトとパールを塗装します。
4月も後半になり気温が上がってきているので、ミストでざらつきが出ないように塗装します。
カラーの塗装ができたらトップクリヤーを少し範囲広めに塗装します。
塗装が硬化したらポリッシングしてマスキングを剥がせばペイントリペア完了です。